停電の夜に

停電の夜に (新潮文庫)

停電の夜に (新潮文庫)

インド系作家ジュンパ・ラヒリのデビュー作。短編集で読んでる最中、堀江敏幸の「雪沼とその周辺」みたいだなーって思ってたら、裏表紙の推薦文がその堀江さんでした。インド系移民やカルカッタに住む人々の生活を淡々と綴っています。特に大きな事件が起きるわけでもないのですが、人と人の繋がりって不思議なものだなぁーと感じさせてくれる本です。決して読者の思う方向にすすまない表題作「停電の夜に」、新しい国にやってきて、馴染みの無いまま嫁いできた妻を迎えた男がある人物の一言から国にも妻にも馴染んでいく「三度目で最後の大陸」が特に良かったです。長編がもう1冊出てるそうなのでこちらもチェックしよう。著者の写真見たらえらい美人さんです。天は二物を与えるもんだなぁ。