軽装版 精霊の守り人 (軽装版 偕成社ポッシュ)

軽装版 精霊の守り人 (軽装版 偕成社ポッシュ)

主人公は女用心棒バルサ。三十路に突入したところってのが斬新な異世界ファンタジーでございます。ひょんなことから第二皇子チャグムの命を救ったために、国を揺るがす事件に巻き込まれていくバルサ。建国される前にその土地に根付いて生きていた民族ヤクー、皇国の政を握る星読博士、こちらの世界と向こう側の世界などなど盛りだくさんなのですがそれらがばらばらにならずきちんと繋がっているのがすごいとこです。あれ?あの設定はどこいっちゃったんだってことないですからねー。バルサもチャグムもダタンもいいんだけど、最初は敵だった星読みや「狩人」もちゃんと話のわかる人たちで全体的に体育会系。
チャグムが「なぜ自分が」とバルサにあたるシーンがいい。飛びかかってくるチャグムをただ黙って放り投げるバルサを見て、かつてバルサが同じような境遇にあったことを思い出すダタンに胸が熱くなります。なんだよこの人たちくっついちゃえばいいのに!